設立趣意
個別最適なリカバリー技術の確立:一人ひとりのアスリートにマッチする回復技術を明らかにし、その効果を再現性高く証明する。第三者評価でも同様の結果が得られることを検証する。
複合技術の相乗効果検証:複数の回復手法を組み合わせた場合に相乗効果が生まれるかどうかを研究し、新たなソリューションを探る。
簡便なリカバリー法の開発:アイスバスやマッサージといった従来法に頼らず、誰もが手軽に実践できる新しいリカバリー方法(デバイスや技術)を開発する。
統一基準での効果比較と情報共有:世界中のアスリートが統一基準の下でコンディショニングおよびリカバリー法の効果を定量・定性の両面から比較・研究し、その知見を共有できる体制を構築する。
世界中のアスリートが統一した基準で最適で適切なリカバリー法の有効性を定量・定性で比較・研究する。
その回復テクニックの情報共有体制を構築することで、
アスリートが抱える様々な諸問題を解決するために当社団を設立しました。
設立趣意のプロローグ
SportTech学術機構 設立の背景:
過去数十年にわたり、アスリートのリカバリー(疲労回復)に関する様々な研究が実施されてきました。
しかしながら、それらの研究を横断的に比較し、「最適な回復法」を見出す試みは十分とは言えませんでした。
このような課題を解決し、アスリートのパフォーマンス向上に貢献することを目的に、当機構は設立された学術団体です。
本ページでは、その設立趣意と背景となるプロローグをご紹介いたします。
1958年から約60年間の世界中の出版物1693件の中から、アクティブリカバリー、ストレッチ、マッサージ、電気刺激、水風呂、交代浴、コンプレッションウェア、クライオセラピー等といったリカバリー法の有効性に関する99件の研究をメタ解析した結果、
最も有効な方法はマッサージであることが示唆されました。
しかし、全てのアスリートに対して同じマッサージが有効であるとは限りません。
現状として、アスリート、コーチ、スポーツ科学者、医療スタッフが、様々なリカバリーテクニックの影響を他のテクニックと比較した研究はほとんど存在しません。
そのため、最適かつ適切な回復テクニックを選択するための情報が不足していると言えます。
また、多様な回復技術の影響を比較した研究そのものが不足している現状も否めません。
結果として、アスリートが真に課題を解決できる
SportTechが少ないという課題が存在しています。
アクティブリカバリー、ストレッチ、マッサージ、電気刺激、水風呂、交代浴、コンプレッションウェア、クライオセラピーといったリカバリー法の有効性について、過去約60年間に発表された99の研究発表をまとめて解析した論文です。
どの手法がどのくらい効果的なのか、筋肉へのダメージや炎症の指標となる血液検査データや被験者の主観などから分析しています。
参考:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphys.2018.00403/full
筋肉の損傷、痛み、疲労、炎症のマーカーを軽減するための
運動後の回復技術を選択するための証拠に基づくアプローチを
メタ解析による系統的レビュー
メタ解析:過去に独立して行われた複数の研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いて解析した系統的総説。
過去60年間メタ解析の結論
さまざまなプロトコル間における用量反応関係、そしてそれらが遅発性筋肉痛(DOMS)、疲労、筋肉損傷、炎症マーカーに及ぼす影響の大きさに関する知識は、各回復技術において大幅に向上しており、現在ではいくつかの証拠に基づいた推奨事項が利用可能となっています。
しかし、アスリート、コーチ、スポーツ科学者、医療スタッフにとって難しいのは、これらのテクニックの影響を他のテクニックと比較した研究がほとんどなく、最適かつ適切な回復テクニックを選択するための情報が不足している点です。さらに、これまでメタ分析を用いて、さまざまな回復技術の影響を比較した研究はありませんでした。したがって、本研究の目的は、科学文献のメタ分析を通じて、筋肉損傷、DOMS、炎症、および身体運動によって引き起こされる疲労の認識に対する最も一般的に使用される回復テクニックの効果を比較することです。
具体的には、身体運動後の遅発性筋肉痛(DOMS)、知覚疲労、筋肉損傷、および炎症マーカーに対する回復技術の影響を評価するメタ分析を実行しました。
1958年から2017年までの1693件の出版物のうち、99件の研究が全ての包含基準を満たしていました。これには、遅発性筋肉痛(DOMS)に関する80件の研究(参加者1188名、実験グループ106件)、知覚疲労に関する17件の研究(参加者266名、実験グループ27件)、炎症マーカーに関する19件の研究(37件のデータ)、そして筋肉損傷マーカーに関する19件の研究(37件のデータ)が含まれます。
結論
知覚された疲労は、加圧衣服、マッサージ、水風呂といった加圧技術を用いることで効果的に管理できると考えられます。メタ分析の結果からは、マッサージが遅発性筋肉痛(DOMS)と知覚疲労を軽減する上で最も効果的な方法であることが示唆されました。また、回復技術によるDOMSへの軽減効果は女性よりも男性の方が大きい一方、知覚疲労への軽減効果には性差が見られないという、非常に興味深い結果も得られました。
本研究により、単一の運動セッション後のDOMSや知覚疲労の軽減を促す可能性のある、いくつかの回復テクニックを特定することができました。その中でも、マッサージはDOMSと知覚疲労の両方に対して最も顕著な効果を発揮しました。水風呂やコンプレッションウェアの使用なども、これらの変数に一定のプラスの影響を与えるものの、その効果はマッサージほど顕著ではありませんでした。他にも、炎症からの回復を促す上で最も強力な技術は、水浸および凍結療法などの寒冷療法と、マッサージであることが示されました。ただし、本メタ分析では、単一の回復セッションのみが検討されています。
アスリートのパフォーマンスにとって最適な回復テクニックをより明確に理解するためには、今後のさらなる研究が不可欠です。運動後に同じ回復テクニックを定期的に使用した場合に、同様の結果が得られるのかどうかを検証することや、複数の回復技術を組み合わせることで相乗効果が得られるのかどうかの調査研究をする必要があるでしょう。